「反・聖戦の系譜」


 序章「援軍遅延」 1/2/3/4/
 
 658年。
 東部イザーク戦線へ遠征中のグランベル王国。その留守中を狙って、西南の同盟国ヴェルダン王国が侵入。
 最初の狩場となったユングヴィ公家を守るのは、実戦経験がない公女エーディン。彼女は即座に急使を発して援軍を求めた。
 幾日過ぎてヴェルダン軍がユングヴィ城に取りついても、隣のシアルフィ公国は動こうとしなかった。


  一章「狂気の公子」 1/2/3/4/5/6/7/8/9/10/11/12/

 ヴェルダン軍は、エーディン公女と聖弓イチイバルを強奪して撤退。
 それに対してシアルフィ軍の指揮官シグルド公子は、公女とイチイバルの奪還を名目にヴェルダンへ逆侵攻を開始する。
 しかしグランベル国内を守る唯一の機動部隊であるシグルド軍の外征は、戦略的に有り得ない話であった。
 留守を虎視眈々と狙うアグストリア諸公連合。しかしシグルド公子は進軍の足を止めようともしなかった。
 それには、大義名分以外での目的があったからに他ならない。


  二章「侵略者」 1/2/3/4/5/6/7/8/9/10/

 ヴェルダンを征服したグランベル王国に対し、危機感を覚えたアグストリア諸公連合は主戦論が台頭し始める。
 そんな中で、これまでの友好路線を維持しようとするノディオン王エルトシャンと、連合盟主であるアグスティ王シャガールとの意見が対立。ついにエルトシャン王は逮捕されてしまう。
 これに激怒したノディオン王妹ラケシスは、グランベル王国であるシグルド軍と同盟を締結。アグストリアは内戦状態に突入する。
 

  三章「王太子暗殺」 (前)1/2/3/4/5/6/7/8/9/  (後)1/2/3/4/5/6/7/8/9/10/11/12/

 長子シグルドがディアドラを妻に迎え、セリスが誕生したことに喜ぶシアルフィ公バイロン。
 バーハラ直系を血族に迎えたことで権勢への道が開けたシアルフィ家。残る障害は、王太子クルト。
 

  四章「踊る人形」 1/2/3/4/5/6/7/8/9/10/11/12/

 シレジア王国。
 権勢の独占を狙う先王妃ラーナが、先王弟であるダッカー・マイオス両公爵と対立していた。
 内戦突入が避けられない状況になると、ラーナはシグルド軍を引き込み、ダッカー公爵はグランベルと手を結んで援軍を要請する。


  五章「終を告ぐ者」 1/2/3/4/5/6/7/8/9/10/11/12/13/

 グランベルの実権を握ったヴェルトマー公アルヴィスは、シレジアを確保したシグルド軍の補給が整う前に誘い出すのに成功する。
 しかしシグルド軍は逆反攻を仕掛けて快進撃を続ける。
 アルヴィスはバーハラ城前まで引きずり込んでの殲滅作戦を用意、シグルド軍はこれを罠と知りつつ飛び込む。


  六章「敗者達の宴」 1/2/3/4/5/6/7/8/9/10/11/12/13/14/15/16/

 同盟を結んだシグルドが敗れて窮地に陥るシレジア王国。
 抗戦が降伏かで揺れるシレジアに対し、アルヴィスはマンフロイを送り込んで分裂工作を行わせる。
 しかしロプト教徒の台頭を快く思わない一部勢力が妨害工作を行う。


  七章「半島争奪戦」 (前)1/2/3/4/5/6/7/   (後)1/2/3/4/5/6/7/8/9/
 
 シグルドに援軍を送り、グランベルの不興を買ったレンスター王国。
 キュアンの暴走に不安を覚えた周辺諸国は、レンスターとの親密関係を放棄して独自の行動に出ることを選んだ。
 そして、半島統一の悲願が目の前に来たトラキア王国の北上が開始される。


  八章「聖者の箱庭」 1/2/3/4/5/6/7/8/ 

 大陸を統一して磐石の体制を整えつつあるグランベル帝国。その水面下で、明日の勝利を目指して暗躍する者たちがいた。
 彼らの指導者となっていたレィムは、様々な角度からグランベルにロプトを浸食させて行く。
 その成功を喜ぶ者と喜ばない者とが、彼を中心に牽制し合っていた。


  九章「完全な世界」 1/2/3/4/5/6/7/8

 ロプト帝国再建のために非常手段に打って出るレィム。
 その野望の旗の下、ありとあらゆるものが贄として捧げられていく。
 目指す先は、光も闇も無い、灰色に染め上げられた世界。

  
  十章「次代の王」 1/2/3/4/5

 グラン暦776年、"光の皇子"セリス挙兵。
 彼は、民からは解放者としてロプトの重苦から救い出すことを願われ、近臣にはシグルドの再来を求められた。
 だがその本質はどちらでもなく、彼はセリスとしての天命に限りなく従順かつ貪欲であった。


  十一章「細民王子」 1/2/3/4/5/6/7/8/9/10/11/12

 帝国に対し北トラキアの地にて蜂起したリーフ王子。
 だが、ノヴァとバルドの血を受け継いだ大陸屈指の血統を誇るプリンスには、その品格の欠片もなかった。
 それを支えなければならない近臣フィンは、帝国軍と戦いつつ彼と毎日のように衝突していた。


  十ニ章「十字行軍」 1/2/3/4/5/6/7/8/9/10/11/12/13/14
 北トラキアを舞台に多くの勢力が凌ぎを削っていた。
 フリージ家の意地と、トラキア王国の悲願と、快進撃を続ける解放軍の中でオイフェとレヴィンの対立と策謀は続く。
 それぞれの正義が世界の趨勢にいかなる影響を与えるのだろうか。


 十三章「一つの王夢」 1/2/3/4/5/6/7/8/9/10/11/12/13/14/15/16
 悲願のために純心を貫く妹アルテナ、グランベル帝国との協調を進めようとする兄アリオーン。
 そして父王トラバントが姿を消し、トラキア王国の未来は二人に委ねられた。
 無謀か堕落か――お互いの主張はどちらが正しかったのだろうか。


  -外伝-

 「救国の使者」
 (完結)
    ヴェルダン軍の急襲を受けたユングヴィ。助かるかどうかは、隣のシアルフィへ救援を求める早馬の走りにかかっていた……。

 「黒の血族」 1/2/3/4/5(継続中)
    アグストリア。アグスティ王ヨトの身体には聖痕がなく、秘密を知っている宰相は神経をすり減らす毎日を送っていた。
    そしてミストルティンの真の継承者は、野心の道具として担ぎ出されようとしていた。
    黒騎士ヘズルが興したアグスティ王国に聖痕なく、ミストルティンはノディオンに移っている。そのルーツ。

 「訓練風景」 1(完結)
    760年明け。グランベル本土侵攻の機を伺うシグルドは、戦力増強のために募兵を行った。
    騎士を夢見る、何も知らないシレジアの少年は、そこで特殊な現実に向かい合ってしまう。

 「アグストリア758」 1/2(継続中)
    グランベル王国のシグルド軍に占領されて半年。多くの役人が赴任して横暴を働くのを耐え忍ばなければならなかったアグストリアの人々。
    それを憂いた亡国の王シャガールは、アグストリアの解放を目指して起ち上がった。

 「残党狩り」 (計画中)
    シレジアを制圧したグランベル。その翌日にはさっそく潜伏するシグルド軍の残党狩りが行われた。
    その中のある部隊を率いる、重い表情の指揮官がいた。名をアーダンと言う。
    

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